第1章 出会い
温かな光で目を覚ます。
ガラス張りの部屋からよく手入れされた庭が見える。
ピンクの髪の少女と目があう。
「まぁ!目が覚めたのですね!あっ、まだ動いてはいけませんよ。今先生を呼んできますからね。」
待って、と声をかけたいが喉がガラガラでうまく喋れない。
ピンクの髪をした少女は廊下の奥へと消えていった。
サイドテーブルに飲み物と軽食が置いてある。
今はいち早く水を飲みたい。
飲んでもいいのかしら?でも、勧められてないものを飲むなんてはしたないわ。
そんなことを考えていると少女が男性を連れて戻ってきた。
「うちの主治医ですの。あのあと2日も目を覚さないものですから、不安でずっと家にいてもらいましたの。」
「いやー、クライン邸でお世話になれるなんてね。いい体験ができたものだよ。ささっ、一度お水を飲もうか、たくさんお話ししたい事があるからね。」
警戒心が跳ね上がる。
私の正体に気づいているのか。
しかし、私のことは、公にされていない。
「まぁ、まだ目が覚めたばかりですのよ?負担になることはだめですわ。」
「大丈夫さ。無理そうなら早めに引き上げるからね?君にたくさん聞きたいことがあるんだ。」