第2章 穏やかな日々
「ラクスいつもよりおめかししてるのね?」
「ええ、この後ザラ家の人とお会いしますのよ」
「許嫁の?」
「そうですわ。サラもお会いしますのよ。」
「私も行くの?」
「ええ、もちろんですわ。ドレスコードがありますの、サラも着替えますわよ?」
「ラクスも着替えた方がいいかもね、スカートにシワが入ってしまったわ。」
「そうですね・・。では一緒に帰りましょう!」
ラクスとエレカに乗り込みクライン邸へを帰った。
ラクスは薄いピンク色のワンピースに着替えた。
ひざ下のスカート丈は上品で、チュールをたくさん詰め込んであるため綺麗なAラインが出る。
鎖骨が見える程度に首元が開いているため子供っぽくは見えない。
可憐でふわふわと動くドレスはまるでラクスのようだ。
一方サラは黒いワンピースを選んだ。
膝丈より少し下の丈の長さのスカートの下に少しだけーチュールを入れ美しいスカートの広がったシルエットができる。
ノースリーブは色っぽさを感じさせるがパールのネックレスのおかげで上品さの方が際立つ。あとは・・・。
真っ赤な少し青みがかったルージュを引く。
化粧は武装だ。
各国の要人と会ってきたサラだが、いつも以上に緊張する。
「期待なんかしなければ緊張することなんてないのに。心のどこかでこの出会いを期待しているのね・・。」
自分の気持ちを整理するため1人でつぶやいてみる。
「サラ??まぁ!まぁ!すごく素敵ですわ!エレカが玄関へ回っていますの。行きましょう。」
「ええ、ラスクも素敵よ。」
そう言ってラクスとともにクライン邸を出る。