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死が2人を分つまで

第1章 出会い


『ただ今から雨の時間です。1時間を予定しております。ただ今から雨の時間です。1時間を予定しております。』

雨の時間?不思議に思った瞬間、雨が降ってきた。
あたりを見回すがどこだかわからない。

「ここはどこなの?誰か?」

呼びかけてみるが返事はない。
芝生の上で立ち尽くす。全く状況ができず混乱し始めた。
私は今どこにいるの?戦争は?私の国はどうなったの?
周りを警戒しながら歩いていると街が見えた。なんて高い建物…。
眩い光…、日本ではない?まさかアメリカ?
自分の推測にさっと血の気が引く。その時一台の車が目の前に止まった。

「こんにちは、雨の時間ですのに傘をお持ちでないのですか?」

ピンク色の髪をした美少女に声をかけられた。
英語だ。
言葉は理解することができるが。

「雨の時間ですか?」

「あら、もしかして放送が届いていませんでしたの?」

いや、音声は聞こえていた。そこではっとする。
さっきの放送も英語だったではないか。
なぜこんなにも単純なことに今更気づくのだろう。
自分に嫌気がさす。動揺を悟られないように質問を返そうとしたその時、目の前が歪んだ。

「危ない!」

先程の少女が叫んだ。
寒い…
少女が車を降りて私に呼びかけた。

「どうされたのですか⁉︎早く車に乗せて、先生に連絡を!!」
だめ…、私の正体がバレてしまう…。
しかし意識を保つことができない。

「しっかりしてくださいね、すぐに先生に見てもらいますから!」

少女が呼びかけている声が遠くで聞こえるー。
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