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死が2人を分つまで

第1章 出会い


・・・振り向いたことを後悔した。

細い手足は華奢で、長いまつげで縁取られた目は魅惑的だ。

小さな形の良い口はピンク色で艶やかである。
コーディネーターは容姿をいじることが多いので美男美女は多く綺麗なだけの人物ならごまんと見てきた。
はずなのにその少女から目を離せない。

こちらを振り向いた瞬間固まり見つめてくる男性になぜだか不快感を持たなかった。

「サラと申します。」

「ああ・・。イザークだ」

「ありがとうイザーク、では。」

「ああ」

イザークは放心状態だ。そのままイザークを放置して図書館へと向かう。
サラが去った後もしばらく立ち尽くしていた。ハッと我にかえる。
俺は何をしているんだ!くそっ!昼飯を食べて図書館に向かうぞ!今日の授業の内容を復習しなければ!といってもさっきの少女が気になりすぎてまともに授業が聞けていないのだが。
ピピっ

「このIDではこの施設を利用できません」

IDをかざすも拒否られてしまった。
作ったばかりだからダメなのかしら。

お昼時だからなのか、人気がなく辺りを見回すがだれもいない。人がいるであろうカウンターにも人がいない。
お昼休憩だろうか。


食堂が混んでいたのでイザークは先に図書館にきた。
自動ドアを潜るが、

「うぉ!」

さっきの少女とぶつかりそうになった。
どうやら図書館から出てくるところだったようだ。

「・・・さっきぶりだな。」

「ええ・・。」

何を話しかけているんだ俺は!

「あの、お尋ねしたいのですが・・・。」

「・・なんだ。」

「図書館に入りたいのですが、このIDでは入れないと言われまして」

機械の不具合か?イザークがIDをかざす。

ピッ

「認証いたしました」

がしゃん。

ゲートが閉まった。

「「あっ」」
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