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死が2人を分つまで

第1章 出会い


講義が終わって、サラはタブレッとを仕舞う。
話している内容はかなりデタラメであった。
ある意味面白かったけれど・・・。
次の講義は日本文学らしい。
もう一度くらい聞いてみようかしら。
席を立つと男性2人が話しかけてきた。

「やぁ、初めてみる顔だけど外部の人?」

「ええ、少し興味があったから聞きにきました。」

「へー、これからお昼なんだけどさ、一緒に食べない、奢るよ。」

距離を詰められる。男性が一歩近ずくたび一歩下がる。

「あんまり警戒しないでよ〜、おねいさん可愛いからさ。ね?奢るからさ。」

手を合わせて男性がお願いしてくるが、

「お断りするわ。」

いち早くここから離れたい。

「待ってよ!」

手を掴まれる。

「ね。ねお願いしますよ〜、ちょっと喋りたいだけじゃん。」

今まで我慢してきたというのに、不快感を隠さずに

「結構です。私は話したくありません。」

と断り、掴まれた腕を振りほどく。

男たちの態度が一変した。

「はぁ?下手に出てたら調子乗りやがって!」

目の前の少女に気を取られているうちに授業が終わっていた。少女が片付けているのを見て急いでイザークも片付け始める。しまった、貴重な講義が・・・。

席を立ち声をかけようか迷っているとすでに他の男性が話しかけていた。
連れがいたのか。
そのまま諦めて出口に向かおうとする。

「下手に出てたら調子に乗りやがって!」

男がさっきの少女に声を荒げている。

無意識に男と少女の間に入った。

「何している?」

「はぁ?関係なねえだろ!!」

男が突っかかってくるがイザークがひと睨みすると。

「・・・行こうぜ」

「ちっ。」

それぞれ諦めて去っていった。
低俗な奴らだ。
そう思った時

「あの・・・」

少女が声をかけてきた。
少し高めの凛とした声に心臓が跳ね上がる。
おずおずと話しかけているからか可愛らしさも感じる。

「ああ・・・。災難だったな。」

振り返らずぶっきらぼうに答える。
くすっと笑う声が聞こえ赤面する。
なんなんだいったい。熱でもあるのか?!他のことを考え気を紛らわせようとする。

「あの、助けていただいてありがとうございます。」

流石に振り向かなければ変な奴と思われるだろう。

「ああ、気にするな」

平静を装い振り向いた。
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