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死が2人を分つまで

第1章 出会い


イザークはアプリリウス大学に通う大学生だ。
民族や宗教、歴史、文化などに興味があり、特に”日本”という今はなき国について非常に興味を持っていた。
この教授は数少ない”日本”を専門としている教授で、毎回の授業を楽しみにている。
斜め前に少女が座った。
白髪だが自分のように銀髪というよりクリームっぽい温かみのある白髪だ。
こんな生徒いたか?まぁ関係ないか。
イザークは女性に興味が微塵もない。
今まで会ってきた女性が散々だったからだ。
母はプラントの議員であり、イザーク自身も優秀であり容姿端麗なせいか幼い頃から寄ってくる女性が多かった。
中には生まれたばかりの赤ん坊を結婚相手にどうだと勧めてくる輩もいる。
いつかは結婚して子供を作り家庭を築くだろうと思うものの、今はそんなことはかけらも考えたくないのである。
この講義にも”日本に私も興味がある”なんて言って寄ってきた奴らいたな。少し話してみると”すごい!”、”知らなかった!”、”面白い!”と甘ったるい声で相槌を打つだけで全く議論にならなかった。
じわじわと怒りが湧いてきたと同時に教授が喋りだした。
「えー今日は日本の歴史についてざっくりお話ししようと思います。」

今日は歴史なのね、外部からはどう思われているのかしら。
楽しみでタブレットを出しメモの準備をする。
「えー日本は大きくこのように時代を区切ることができます。今日はこの平安時代から明治までをさっくり話していきたいと思います」
驚いてしまった。
タブレットにまず平安時代と書く。
なんとなしに斜め前の少女を見て衝撃を受けた。
に、日本語でメモしている?!いやいや、集中しなければ・・・!
なんとか教授の話に集中しようとするが前の少女が気になってしょうがない。

「平安時代は貴族が中心となって政治を行っていました。比較的
何もなかった時代です。」

な、何もなかった時代!?たくさんの優秀な文学が生まれ、多くの貴族が権力争いのために奔走していたというのに・・・。

確かに戦国時代に比べると争いは少ないから何もないのかしら?

め、メモがすべて日本語!?早い!!一方イザークは斜め前の乗除に気を取られ、楽しみにしていた講義だというのに全く集中できなかった。
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