【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第9章 おもいでのお菓子と…
「本当か? グレイスの、人や周りを想う優しさをイメージしながら作ったから、喜んでくれたならオレも嬉しい。
これはオレがリボンに造花を付けて作った工作みたいなものだが…いつかグレイスには本物のティアラを付けてくれる王子様が来てくれるだろう。
何たってグレイスは本物のプリンセスだからな」
(………え。
なんで、そんな…まだ出会っていない誰かに期待させるような言い方…
イグニス…イグニスが、そうしてくれたら良いのに…)
思いがけず頭の中に浮かんだ告白ともいえる言葉に、自分で自分に驚く。
(あ…。
あぁ…私、やっぱりイグニスのことが…)
感情の昂りにつられて、涙がじわりと滲む。
「ありがとうイグニス…イグニスが私のことを思って作ってくれたことが、この世にあるどんな高価なものを貰うより特別だし、最高のティアラだよ…!
私、これ宝物にするね…!!」
胸の中の感情を言葉と笑顔に精一杯乗せて、目尻に溜まった涙を指先で拭いながらイグニスにお礼を伝えた。