【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第26章 執着
そこまで一気に言い切ってから改めてイグニスの顔を見ると、まだポカンとした顔をしてて。え、何で? そこまで意外?
それともここまで言って伝わらないこととかある?
どうしたものかと見つめたまま黙っていると、徐々にイグニスの口角が上がって、それを隠すように拳で口元を隠し俯きだした。
何か笑われるようなおかしなことを言っただろうか? そんな気持ちを含めて怪訝な顔をしていると、ようやくイグニスが口を開いた。
「ふ…ふふ、いやすまない、不意に随分な愛の告白をいただいてしまったと思ったら嬉しくてな」
「あっ!? それっ、は…〜〜〜ッ!」
「かわいい」
「えっ」
「聞こえなかったか? かわいい、って言ったんだ」
顎先を掴まれ後ろから覗き込むようにして見つめられ、胸の奥がキューッってなる。
イグニスの体重をかけられたベッドのシーツがぎゅ、と頭のすぐ横で音をたてたことで、より彼の存在を近くに自覚させられ、先程までの包み込まれるハグから一転、まるで捕まえられてしまったかのような錯覚を起こす。
目を合わせればイグニスの形良く高さのある鼻先が私の頰にくっつきそうな程、顔が近い。キスをしたことはあっても、こんな距離で目を開けていたことがないからあまりの近さにドギマギする。
幼い頃からずっと追いかけていた大好きな翠の瞳が透明なレンズ一枚隔ててすぐのところにある。その宝石のような美しい瞳が今自分だけに向けられていることが、嬉しくて嬉しくてたまらない。