【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第9章 おもいでのお菓子と…
イグニスに目を閉じてと言われてから少しして
ふわり、と自分の頭の上に何かが乗せられたような感覚がした。
「さ…これで良し。グレイス、もう目を開けていいぞ」
そろりと目を開けると、なぜだかかけがえのないものを見つめるような表情のイグニスと目が合う。
(そんな顔…、どうして…?)
「イグニス…頭に何か乗せた…?」
何ともハッキリしない状況が焦れったく、頭に手を伸ばそうか、
でも動いて落としてしまっても良くないかな…と考えあぐねていると、イグニスが手鏡をこちらに向けてくれた。
するとそこには…
ピンクや白などの花々を沢山連ねた、とても可愛らしいお花の冠を頭に乗せた自分がいた。
その姿に「え…」とあっけにとられている私を慈しむかのように見つめてイグニスは話し始めた。
「グレイス…可愛い。すごくよく似合っている。
この間、グレイスはガラスの靴のお姫様の話で『自分は魔法使いのおばあさんになって皆を幸せにしたい』って言っていたな。それを聞いてオレはとても感動したんだ。
だが、それと同時にグレイス自身だってお姫様になって良いんじゃないかって思ったんだ。
だってそうだろう? グレイスはこんなにも心が優しくて素敵な女の子なんだから」