【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第9章 おもいでのお菓子と…
「ありがとー! さっすがイグニスお兄ちゃん! 頼りになるぅ!」
「言っておくがオレもまだ教えられるようなレベルじゃないぞ。
というかグレイスは料理に興味あったのか?」
「うーん、興味って言うよりかは、何も知らないから知りたいって気持ちが強いかな。
この間学校で調理実習があって、お料理出来る子は出来るし、すごく手際良い子もいたんだよね。
それ見て私、『作る』側のことって全然知らないんだなって恥ずかしくなっちゃって」
「ほぅ…グレイスらしい理由だな。人の上に立つ人間として視野や見聞を広くしておくことは大切だからな。
じゃあ今度の週末辺りにやってみるか。城のキッチンの使用可能な時間も確認しておく」
「わぁ、ありがとう! 楽しみにしてる!!」
キラキラと目を輝かせているグレイスに幼い頃の面影を思い起こされ、つい手が伸びて、優しく頭を撫でる。
「あぁ。何を作ろうか…今から楽しみだな。
それと、今日はもう一つグレイスに渡したいものがあるんだ。
少しの間だけ、目を閉じていてくれないか?」
「えっ…何だろう…!? ドキドキする…!」
期待と少しの緊張を含んだ声で答えながら瞼を下ろすグレイスを確認したオレは、音をたてないようにもう一つの紙袋からそっとそれを取り出した。