【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第8章 寄り添い
グラディオの反応を見て、グレイスの体調に関する影響の真実が伝わらなさすぎるのも今後の為に良くないと感じたオレは言葉を続けた。
「先日のイリスとの件で、ノクトが不器用さの中に優しい心根を持っているのをお前も理解したはずだ。
当然グレイスも同じように、…いや、自分の立場が曖昧なことを気にしてノクト以上に周りを気遣い、人から向けられる感情に敏感だ。
そういう人間にとって、自分の命・日常・人生に常に他人の命が賭けられていると必要以上に意識させられるのは酷でしかない。
だから先程のような『王の盾や隊員を無駄死にさせるな』というような発言は控えるべきだ、とオレは思う」
これはあくまでもオレの意見。それを伝えるのならばグレイスの希望から外れるものではないだろう。
「それと、未来の王の盾の立場として、今後お前自身も複雑な心境になることもあるだろう。
愚痴を言うなとは言わない。だが、言う相手には気を付けろ。
口の堅い相手限定だ、例えばオレとかな。
当人以外から人伝てに聞く自分への不満は余計に尾を引くものだ」
「お、おぅ…わかったよ」
気まずそうに頭を掻きながら返事をするグラディオを横目にオレは「行くことろがあるから」と進路を別にした。
これでグレイスが今以上の心痛を抱えなくて済むようになれば良いのだが…。