【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第8章 寄り添い
「あぁ、こんなに擦ったら余計に目が腫れてしまう。それに、無理に止めなくていい。
今のこれは悲しい涙でないのはわかっているが…辛い時や悲しい時は我慢せずにオレの前で泣いてくれていい。
グレイスのどんな感情も悩みも一緒に受け止めたい。そうした後にグレイスが笑顔に戻ってくれれば、それでいい」
イグニス言葉に胸がキュウ、と締め付けられて苦しいような、自身の発する熱で焦がれるような、今までに感じたことのない気持ちで胸が一杯になる。
「…っく、ひっ、ぅ、…う…」
言葉に出来ない感情がまた涙となってこみ上げてきてどうにもならない。
そんな有様の私をイグニスはそっと頭を撫でながら、変わらず愛おしそうに見つめてくれる。
「…そうだ。
今日の昼食はグレイスの部屋で食べられるように頼んでおこうか。
その方が腫れた目を見られずに済むし、グレイスも気が楽なんじゃないか?」
イグニスの気の利いた提案に私は頷いて答えた。
「では厨房にそれを伝えにいくついでに、医務室で目を冷やす為の保冷材か氷をもらってこよう。少し待っていてくれ」
そう言って扉の方へと向かうイグニスの背中を見送りながら
『やっぱりイグニス、モテるんだろうな…』と本日二回目の感想が頭に浮かんだ。