【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第8章 寄り添い
顔に集まる熱を隠すように手で両手を覆いつつ、笑みが零れるのを止められない。
そんな様子を見たイグニスが、私の肩に置いていた手を上へと動かし、頬にある私の手に彼の手をそっと重ね、
「何度も言うが、本心だからな。
それにオレは、グレイスがこうして笑顔でいてくれることが一番嬉しい」
春の新緑を乗せたような優しい瞳で微笑み返しながら、そう告げられた。
「イグニス…」
いつの間にか自分の手より一回りは大きくなった手のひらに包まれたそこは温かく、
イグニスから注がれた深く真っ直ぐな愛情は、心まで熱を届けられているような感覚がする。
「ありがとうイグニス…。本当に、ありがとう…。
それに、さっきあの場にイグニスがいてくれて本当に良かった…一人だったらどうなってたか…
…う、うぅっ…ぐす、笑顔が一番って言ってくれたばっかりなのにまた涙出ちゃってごめん…
でも、心が幸せでいっぱいで勝手に溢れちゃうの…」
何とか涙を止めようとゴシゴシ目元をこするもイグニスに手を取られる。