【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第8章 寄り添い
うっすらと覚醒した意識につられて目を開けてみると、こちらを伺っているイグニスと目が合った。
「グレイス…具合はどうだ? もう少し寝てても構わないぞ」
「ん…大丈夫…。
イグニスが連れてきてくれたんだっけ…ごめんね、重かったでしょう…?」
「いや、オレも鍛えているからな。なんてことはない。
それよりグレイス、口の中が気持ち悪くはないか? もし起き上がれるようならここでうがいするか?」
「…ありがとう。今…起きる」
もたもたと重たそうに上半身を動かす私の身体を、イグニスが背中に手を差し入れて抱き起してくれる。
「ほら、コップ。ゆすいだ水はこっちの洗面器に出せばいい」
イグニスの言葉に甘えて、ベッドに座ったままうがいをさせてもらった。
それらを嫌な顔一つせず片付けてくれるイグニスの背中を感謝しながら眺めていると
「ところでグレイス。
一つ確認したいんだが、今回のことで医者を呼んだ方が良いだろうか?
それとも…あまり話を広げたくはないか?」
どうも精神的なものが原因のように思えてな、とさも当たり前かのように確信をつく質問をしてきた。