【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第7章 もがき
寝起きに比べればかなり腫れは引いていると思っていたところを一目で見抜かれたグレイスは驚きに目を丸くした。
「大切な妹のことをよく見ているのは当然だろ。
…で、どうしたんだ? オレで良ければ話を聞くぞ」
「ぁ…う、うーーーん…」
泣いた理由が理由なだけに、元々誰にも話すつもりはなかったグレイスだが、正直吐き出して楽になりたい気持ちも強かった。
自分のことをいつものように、当然のように『大切な妹』と言ってくれて、些細な変化にもすぐに気付いてくれたもう一人の兄に頼りたいとも思っていた。
それと同時に、解決し難く、またグラディオの失言の告げ口ともなり得る悩みを共有させて良いものか悩んでもいた。
「…グレイス。ほら、オレに遠慮する必要はない。
いつも言っているだろう? 一人で抱え込むな、と」