【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第7章 もがき
翌朝、ノクトお兄ちゃんより早く目が覚めた。
…鏡を見なくてもわかるくらい、目が腫れている感覚がある。
「とりあえず…冷やさなきゃ」
こんな顔でお父さんやイグニスに会ったら絶対に理由を聞かれる。
理由をきちんと話せる気がしない。
「ま、そもそも言える理由でもないか…」
自嘲気味に一人呟く。顔を濡らす水の冷たさで少し身体のダルさも抜けたような気がした。
洗面所から戻ってノクトお兄ちゃんに声を掛ける。
「起きて~朝だよ~」
「ん~、まだ眠いよ~……はっ、グレイス、気分はどう?」
いつもの寝起きの悪さを知っているだけに、自分を心配してくれる一心でこんなにスッキリ起きてくれたことに驚きと喜びを感じ、胸が温かくなる。
「ノクトお兄ちゃんありがとう…ノクトお兄ちゃんのおかげであの後よく眠れたみたい」
「それなら良かった…あぁでもやっぱり目が腫れちゃってるね…。
昨日もっと早く来てあげれば良かったな」
頬に手を添えながら申し訳なさそうにこちらを見つめてくれるノクトお兄ちゃんの優しさに触れ、自然と笑顔になる。
「ううん、来てくれて本当に救われたよ。着替えてダイニング行こう」
そうして二人で朝食の席に向かうと、そこにはすでにお父さんが来ていた。
「ノクト、グレイスおはよう。昨日はゆっくり休めたか?」
「お父さんおはよう。
うん、バッチリだよ。見てよこれ、寝すぎて目が腫れちゃったよ~」
優しく微笑みかけてくれるお父さんに若干の罪悪感を感じながらも、心配をさせたくなくて咄嗟にそう答えた。