【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第7章 もがき
「…明日、土曜日で学校ないから良いもん」
「えー、でも泣きはらした顔でグレイスが明日お父さんやイグニスに会ったら、僕がイジメたと思われるじゃん。
だからお願い、泣き止んでくれない? 僕の為にと思って」
わざと大袈裟におどけた調子で言うノクトお兄ちゃんに思わず笑みが零れた。
「ふっ、ふふ。
もう、ノクトお兄ちゃんってばそんなこと言うのズルいよー。
ここで泣き止まなかったら私がイジメてるみたいになっちゃうじゃん」
「あはは、ごめんねイジワル言って。
でも、グレイスが笑ってくれて良かった」
そうして優しく微笑み、目の周りに滲んだ涙をそっと拭いてくれるノクトお兄ちゃんのどこがイジワルなんだろうか。
さっきまでのどろどろとした気持ちがやんわりと収まっていく。
「ノクトお兄ちゃん…気分変えさせてくれてありがとう。大好き。
あの…さ、今夜はこのまま一緒に寝てくれる?」
ノクトお兄ちゃんの頬にキスをすると、同じように返してくれることに心が落ち着く。
「うん、もちろん。一人より二人の方が温かくてよく眠れるもんね。
ほら、ぎゅってしててあげるから横になって? 僕も大好きだよ。」
「うん、ありがとうノクトお兄ちゃん。おやすみ…」
この後、私は泣き疲れていたのもあってか、ノクトお兄ちゃんの温かさに包まれてすんなりと眠りに落ちていくことが出来た。