【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第7章 もがき
早々にダイニングから退出し、寝る支度を済ませベッドに入る。
昼間のことを思い出しぽろりぽろりと落ちてくる涙を感情のまま流していると、誰かがドアをノックする音がした。
「グレイス…起きてる?」
音の主はノクトお兄ちゃんだった。
「さっき、様子が変だったから心配で…
…って、泣いてたの? 大丈夫…?」
ベッド脇に駆け寄ってくるノクトお兄ちゃんを前に慌てて涙を拭く。
「何か辛いことでもあったの?」
「う…ん、ちょっと…理由は言えないんだけど…
ありがとう、ノクトお兄ちゃんが来てくれて嬉しい」
心配そうに顔を覗き込んでくるノクトお兄ちゃんの存在に甘えたくなり、肩に身を寄せる。
慣れ親しんだ体温が心地良い。 ぽろり とまた涙が落ちる。
「そう? 喜んでくれたなら良かったよ…」
そう言って頭を撫でて応えてくれる優しい兄に、今日の出来事を聞いてみたくなった。
「ぐすっ…ねぇノクトお兄ちゃん…今日、ノクトお兄ちゃんがイリスを外に連れ出したって聞いたけど…本当?」
あの事件以降、新たな犠牲を出さないようにいつも自分のやりたいことも、ワガママも我慢しているノクトお兄ちゃんの努力を私も知っているからこそ、そんなことをするなんてどうしても違和感があった。
「え…僕もまぁ…ちょっとね。
あ、それより、こんなに泣いたら明日目が腫れちゃうよ?」
さっきの私を見ているかのように歯切れ悪く言い淀むノクトお兄ちゃんの姿に、何となく訳を感じてそれ以上追及するのはやめた。
目…、目は…うーーーん…