【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第26章 執着
品のあるレース素材のワンピースも、シーツと擦れて生地が傷んではいけない。
背中へと手を伸ばしファスナーを下げて左右に割り開けば、グレイスの華奢な肩が露わになった。
もう夏の終わり頃だというのに日差しから守られたそこは初雪のように真新しくて真っ白でオレの目を惹きつける。その白さは日に照らされて艶となり、とても眩しく、何より綺麗だ。
グレイスもノクトも、幼い頃から鍛錬をしている割には身体の線が細い。筋肉が付きにくい体質なのか、それとも骨格的な理由なのか。ただ、魔力を保つ為に常人よりはるかに多くの代謝を必要としている結果肉が付きにくい、なんて理由でなければいいなと心底願った。
そのまま手を離せば ストン、とワンピースの上半身部分がウエストまで滑り落ちた。それとほぼ同時にグレイスが両手で自分の胸元をバッと隠す。なぜそんなことを。白く柔らかな皮膚に覆われたそこは見惚れるくらい魅力的なのに。
「隠さないでくれ」
小さいから恥ずかしい、とグレイスは気にするが、オレにとってはそんなことは何の問題でもなかった。
グレイスの胸だから見たいと思うし触れたいとも思う。
別にこのままのサイズでも、成長に伴って大きくなったとしてもどちらでも良い。
「とても、綺麗だ」
ちゃんと伝えた方が良いと思って今度は口に出した。
グレイスが思い描く理想の姿と相違があって不満なのかもしれないが、今のグレイスの体型も、王族らしい黒髪も、それによく似合う星空の瞳も、真面目で頑張り屋なところも、誰にでも気配りが出来る優しさを持っているところも全て丸ごとオレは愛しているのだから。これから沢山沢山伝えるから、グレイスの自信にしてほしい。