【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第26章 執着
二人並んでウインドーショッピングを楽しみお腹を空かせた頃、お城から真っ直ぐ続く大通りから脇道に入りいくらか進むと目的のお店に到着した。
ビル1階のテナントに入っているにも関わらず、全体的に木の温かみを感じさせる落ち着いた雰囲気のそこは、カフェと呼ぶより喫茶店と表現した方がしっくりくる雰囲気の外観だった。
大通りの喧騒から離れて人通りも少なめの場所だし、これは確かに時間のある休日にゆったり過ごしたくなるロケーションかも。
木製格子枠のドアにすりガラスがはめ込んであるレトロ調な扉をイグニスが開けて先を促してくれるのにお礼を行って歩を進めれば、女性店員さんがにこやかに出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ、何名様で、すか…?」
…と思ったのも束の間、怪訝な顔をして言い淀まれてしまった。サングラスを掛けたまま入店したのが気に障ってしまっただろうか。無作法だとは自覚しているけれど私の立場上許してほしい。
「二人だ。出来れば奥まった席を案内してほしい」
「あっ…、は、はい。こちらへ、どうぞ」
最初の印象に比べてどこかぎこちなさを感じる店員さんに通された席は、背の高いソファで区切られたエリアで、周りからの視線が届きにくい席だった。
リラックスして寛げそうな席に感謝しながらメニューを二人で見ていると、先程の女性がお冷を持ってきてくれた。
軽く会釈をして顔を上げると、ジロジロとこちらを品定めするような目と視線がかち合った。んん…こちらも目元を隠したままで礼を欠いているとはいえ、随分と不躾ではないかな…。