【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第26章 執着
「うん! 行きたい!」
自分でもぱっと顔が明るくなったとわかる程、二つ返事で賛成した。
こんな提案をイグニスからしてきたくらいだから、「行きたい」とかなりわかりやすく顔に出ていたのかも。それが伝わることも、その意を汲んでお気に入りのお店に連れて行ってもらえることが、特別を共有しても良いって許されてる感じがして嬉しい。
だから、二人並んで作った朝食を食べ終えた後いつも以上に念入りに身支度を整えた。
「イグニス、髪型とかお洋服、変じゃないかな?」
身に纏ったのは柔らかなレース袖付きのワンピース。全体を繊細なレースで包んだ上品なデザインだけど、ウエストで一度絞ってから裾に向かってふんわりと広がるシルエットが可愛らしさも感じられてザ・女の子っぽいお気に入りの一着。
髪は暑いので簡単にまとめてアップヘアにした。
「あぁ、とてもよく似合っている。もっと近くで見せてくれないか?」
先に準備を済ませてソファに座っていたイグニスが立ち上がり顔を寄せ、そのまま私の頬を撫でる。
間近にある整いすぎた顔に照れ、つい伏し目がちになった目線を追い掛けるようにイグニスの手が下へと降りてうなじへと伸びた。男性らしい大きくて硬い皮膚の厚みを感じる手のひらで撫でられるそこに、くすぐったさに軽く肩をすくめた。