第25章 証

ならば、グレイスの様子を伺いながら進めるまで。
そもそも恋人同士のセックス自体が愛情を伝え確かめ合うコミュニケーションなのだから。

そこまで思い至ったところで「あ、でも」とグレイスが口を開く。

「イグニスから与えられるものなら痛みだって愛情を伴ったものだって思えるから…大丈夫だよ」

「………」

警戒心を全く感じさせない、眉尻を下げてふにゃりと微笑む笑顔に一度目を閉じて、自分を落ち着かせる為に深く深呼吸をした。
そうでもしないと、何かとんでもないことをしてしまいそうだったから。
今すぐ入り口の際から最奥までグレイスのナカを一気に貫いて暴きたい…なんて浅ましい欲望が過ぎった気がしたが、気の所為だということにしようと心の中で首を横に振る。世界一大切な女性の愛に包まれながらそんな身勝手な自慰のようなこと出来るものか。

「…お互いを感じあって、愛し合おう」

痛みさえ、と言ってくれるのは嬉しいがそんなもの無ければない方が良いに決まっている。グレイスにはいつだって笑っていてほしいのだから。
オレの言葉にぽっと顔を赤くするグレイスを愛おしく見つめながら、そっと入り口に自分のモノを充てがう。
くちゅり…と滑りの良さそうな音を立てて、ゆっくりとではあるが、初夜に比べてそこは随分と柔軟にオレの先端を受け入れ飲み込んでいく。

「あ…ぁ、っ、あ…？　きもちぃ、かも…？」

「昨日とは、全然…違う、な…っ」

ぐぷぐぷと媚肉でキツく雄を包み込みながらも、拒むように押し返すことのない甘い圧迫感に気付けば　ほぅ…っとうっとりとした吐息が出ていた。