【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
「そういえばさっきの電話なんだが、」とイグニスが自分のスマートフォンを取り出してカレンダーを見せてきた。
電話の内容は私達の仲を取り持ってくれたプロンプトへのお礼をするスケジュール確認だったらしい。
9月の第三週、丁度ノクトお兄ちゃんも私も公務の入っていない週末があるのでそこはどうかと。
写真映えする自然があって、釣りも楽しめる川沿いでバーベキューを予定しているとか。
「うん、その日なら大丈夫。
もちろんプロンプトに感謝を伝えるのが一番の目的だけど、純粋にバーベキューも楽しみ!」
「なかなかやる機会がないものだからな。ではそのように伝えておく」
「ふふ、釣れたてのお魚も食べられるかな?」
「それはノクトの腕次第だな」
この時に初めて、キャンプ用のイスやコンロはグラディオが持ってることを聞いた。
ちょっと意外な趣味かも。いつ使うんだろ? あ、あの立派な広いお庭で家族水入らずで使うのかな。
前にノクトお兄ちゃんが模造剣(しかも大剣)を綺麗な芝生に突き刺して穴空けちゃったって聞いたけど、その穴はちゃんと治ったかな…申し訳ない。
当日はその荷物と一緒にイリスとプロンプトも連れてきてくれるから、イグニスは食材と私達兄妹を乗せていくとか、簡単にスケジュールを説明しながらゆっくり私の肩や髪を撫でてくれるのが心地良い。
「イグニスはこの姿勢、しんどくない?」
「問題ない。鍛えているからな。
グレイスは力を抜いてくれて構わない」
「グラディオが見たら『甘やかしすぎだ』って言われそう」
「グレイスが主で、オレがそれを諫め導く役回りならそうかもしれないが、オレ達は恋人同士なんだ。何も気にすることはないさ」
そう言って額にキスを落とす彼の瞳は愛情に満ちていて、それを素直に受け取ることが最善なのだと教えてくれる。
ぽっと心が温かく満たされて、私の中にイグニスの想いが溜まっていく。
愛情深い彼の愛に包まれて、また一つ深く彼に沈んでいく感覚がした。