【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
イグニスから与えられる朝食は甘くて美味しくて、寝起きの空腹には堪らない一品だった。
(美味しい…朝からこんな美味しいもの食べれるなんて。ただ、それにしても…)
「近くない?」
粉砂糖が落ちないように口元にお皿を持ってきてくれてるのはわかるけど、わざわざ私の肩を抱き込むようにした腕でお皿を持ってるから顔は目の前だし身体も密着度がすごいんだけど。
「そうだな。近くなるようにしているからな」
さもそれが当然のような口ぶりで幸せそうに春色の瞳を柔らかく細められる。
もう、そんな顔されたら何も言えないよ…。
されるがままにイグニスからの愛情と食事のお世話を受け入れ最後の一口まで食べ終えると、食器をテーブルに置く為に、今まで重なる程に密着していたイグニスの身体が離れた。
「ご馳走様、イグニス。美味しかったよ」
「それは良かった。ん…? グレイス、口の端に粉砂糖が付いている」
「えっ、やだ恥ずかしい、ティッシュ…」
「いやいい、オレが取る…んっ」
「ん? んん!?」
舌を出したイグニスに口角の端をぺろりと舐め上げられる。それだけでも目が点になったのに、舌がそのまま口の中へと入り込んでくる。不意討ちのキスに驚いてジタバタしても、顎先と後頭部をがっちりと抑えられてまさにされるがままだ。