【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
(大好きな人に大切にしてもらえるのって、本当に幸せなことなんだな…)
上を見上げたまま胸いっぱいのときめきを一人反芻していると、左肩にイグニスの腕が回された感覚がして顔を前へと戻した。
すると、目の前に心配そうな表情をしたイグニスの顔があって、驚きのあまり一瞬身体がビクッと跳ねた。
「ぼーっとして、どうかしたのか?
…もしかして、座っている姿勢だと身体が痛むのか?」
眉根を寄せて真剣な顔でこちらを覗き込むイグニス。
大慌てで否定をすると「それなら良いが…何か不調があればすぐに言うんだぞ」と一応は納得してもらえた。一人で盛上がっていらない心配をさせてごめんね…。
一安心して ふぅ、と息を吐いてもう一度前をよく見れば、私の肩にはイグニスの左腕が回されたままで、その手にはプレート皿、右手にはフォークが握っていた。
え、え? やけに顔が近いと思ったらそういうこと?
「私、自分で食べれるよ…?」
「オレがしたいんだ。グレイスの口に入れる特別を許可してくれ。
ほら、まずはどの味をつける?」
「えー…うん。じゃあ、メープルシロップ」
「了解した。味を変えたい時は言ってくれ」