【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
「…ありがと。
何か甘い物が良いな」
「了解した。グレイスはまだ横になって休んでいると良い」
さすがに今朝は素直にお言葉に甘えよう。
そう思ってベッドから降りようとしたイグニスの服の裾をきゅっと掴み、「どうした?」と不思議そうに振り返るイグニスを見つめ、気持ちを伝える。
「一人でここにいるの…寂しいからやだ。
一緒に連れてって…?」
恥ずかしがりながらそう告げた言葉に、彼はとても愛しそうに顔を綻ばせて
「仰せのままに」
とお姫様抱っこをして優しく抱き上げてくれた。
リビングに着いた後は、ほんのわずかな振動も感じさせないようにそうっとソファに下ろしてくれて、あれよあれよと言う間にクッションを枕に、じっとしていても身体が冷えないようにとタオルケットをお腹にかけてくれて。
「グレイス、靴下はどこにあるんだ?」
「靴下? 何で?」
「脚先が冷えると不快感があるだろうからな。
あぁ、もちろんオレが履かせてやるからグレイスはそのままで良いから安心してくれ」
「………。
いや、靴下はいいわ」
冷房をつけた部屋では、真夏でも意外と脚が冷えるというのはわかる。靴下を履く時の姿勢が腰を曲げて辛いかもしれないから手伝うと言ってくれるイグニスの優しさもわかる。
わかるけど、さすがにそこまでしてもらうのはちょっとね…。
申し出を断られたイグニスは不承不承ながらその場を離れてキッチンへと向かった。
ちなみに。靴下の場所を聞かれた時にボソッと「ノクトの部屋ならどこに何があるのか全てわかるのに…」って呟いてた のが聞こえた。そこにはあえてツッコまなかったけれど、イグニスもノクトお兄ちゃんも、一度一人暮らしの意味を調べた方が良いと思う。