【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
イグニスの言葉に再び私の頬を嬉し涙が伝う。それは重なり合っていたイグニスの頬も濡らしてゆき、涙に気付いたイグニスがちゅ、ちゅ、とついばむようなキスで拭ってくれた。
そのまましばらくイグニスの心地良い重みを感じていたところ、エアコンの冷風に肌をさらしたままの下半身を撫でられて身体が震えた。
「いつまでもこうして余韻を感じていたいところだが…このままではグレイスに風邪をひかせてしまうな」
汗が冷房で冷えてはいけないからと、鞄からフェイスタオルを取り出して優しくぽんぽんとタオルを当てながら首元や背中の汗を拭ってくれた。お泊まり予定だったからわざわざタオルを持参したのかな? 律儀すぎる…。
その後は、身体を支えながらパジャマを着るのを手伝ってくれたりして、ちょっとお世話焼きが過ぎるんじゃ? と思わせる程、愛情深いところも好き。
私のことはこんなに大切に扱ってくれるのに、自分に対してはガシガシと雑にタオルで擦って手早く服を着るイグニス。
昔からすごく気遣いが出来る一方で、自分のことより周りを優先するところがあった。でもイグニスは私にとってかけがえのない大切な人だから、自分のことももっと大切にしてほしい。
そんな気持ちを込めながら、力の入らない腕を何とか伸ばして抱き寄せた広い背中をそっと撫でると、私の額に当たっていたイグニスの胸が深呼吸してゆっくりと大きく上下した。
心地良く、感じてくれたのかな。
カチャリ、サイドチェストにイグニスの眼鏡を置く音。
そのついでにリモコンで照明を消してくれた後、間近で目があった。
その時のイグニスは、眼鏡を外していつもより少し幼く見えて、その表情はずっと欲しかった宝物を手に入れたような、キラキラしたすごく満ち足りた顔をしていて。急に顔に熱が集まるのを自覚して、ギュッとイグニスの胸板に顔を隠すように埋めた。
その後、すぐに抱きしめ返してくれたイグニスの熱と、心に目一杯詰まった幸せの心地良さに包まれて、私はゆっくりと眠りに落ちていった。