【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
「グレイス、身体が痛むのか?」
「あっ、ううん、これは違うの。
…嬉しくて」
性知識に疎い私だけど、一人暮らしを始める時に昔から仕えてくれている侍女長から『女性にとっての「ハジメテ」は特別』だと教えられた。
女性たるもの、簡単に身体を開かないこと、
女性に性経験があるかどうかは、男性にもわかってしまうもの。
興味本位で性交してしまって後悔するのは他の誰でもない自分自身だから。
本当に『この人』と思える男性に出逢うまで、大切にとっておきなさい。
自分の一生を捧げたいと思える男性に、自分の初めてを捧げなさい。
「そう聞かされていたから、だから…初めてをイグニスと出来たことが嬉しくって…」
私の身体を気遣うように顔を覗き込んでいるイグニスを見つめ返してそう伝えれば、ペリドット色の瞳に薄い水膜が浮かんでその透明感のある美しさがより際立つのが見えた。
「ありがとうグレイス…。必ず、一生大切にするからな」
一瞬、顔を上に上げて目頭を押さえるようにした後、広い胸板に閉じ込めるように抱きしめてイグニスが囁いてくれた言葉。
まだ10代の彼が口にするには早すぎる誓いの言葉だと言われるかもしれないけれど、イグニスが真剣に言うなら「きっとそうなんだな」と真っ直ぐストンと心に落ちてくる。
イグニスの優しいのに芯のある声と、愛情に満ちた眼差しは、いつも私に「愛されてる」って自信を与えてくれる。
この人の全てが、本当に、大好き。