第25章 証

そうしてグレイスの身体を気遣いながら進めた行為も、ようやく奥までたどり着く。

「グレイス…一番奥まで、挿入ったぞ」

髪を撫でながらそっと囁くと、「ん…」と短く返事をするのがやっと、というグレイスの声が返ってくる。

「よく頑張った、な…。慣れるまでしばらく…、こうしていよう」

正直に言えば…みちみちと締め上げるようなグレイスのナカでこうして留まっていることは生殺し以外の何物でもない。だが、ずっと昔から想いを寄せて、何度もそれを抑え込もうと気持ちを押し殺していた時を考えれば比べ物にならない甘さを伴った辛抱だった。

愛撫だけでも十分満たされていると思っていた。それでも尚、繋がることでこんなにも幸せな気持ちになれるなんて、
グレイスの胎内の温もりに触れて初めて知った。
幼い頃の家族愛に似たものから、徐々に一人の女性としてオレの中での存在を大きくして、大切で大切で仕方ないグレイス。オレに身体を明け渡してくれた愛情と信頼を、性欲に任せて踏みにじるようなことは絶対にしたくない。

覆いかぶさるように自分よりずっとずっと小さくて華奢なグレイスの身体を抱きしめ、懸命にオレを受け入れてふぅふぅと息を吐くグレイスの負担にならないように唇以外のところへ愛しさを伝えたくてキスを降らす。

「愛してる、グレイス…。本当に、ありがとう」

心の本音部分が溢れて、囁くにも満たない呟くような声が出る。
その微かな声はグレイスの耳にも届いていたようで、グレイスのナカがきゅぅっと締まり、その拍子にオレの口から「ウッ」とうめき声とぽたりと一粒汗が落ちた。