第25章 証

「…っ…たぃ…」

そんなオレとは対照的に、ベッドの上では挿入の痛みを堪えるようにキツくシーツに爪を立て、眉根を寄せるグレイス。
咄嗟にその手を包み込み、力を抜けるように優しく撫でてやる。

「すまないな、グレイス…」

「あやまら、…なくて…い、から…」

「…ありがとう。ゆっくり、していくからな」

グレイスの様子を見ながらゆっくり、じわじわと奥へ入れていくと、先端に膣肉以外のものが引っかかるのがわかる。

（これは、まさか…）

期待と、それから僅かな戸惑いをもって　ぐ、と突き進めばプチリっとグレイスの処女膜が破れる感触があった。

「あぁ…グレイス…」

こんなにハッキリと破瓜の感覚がわかるとは思っておらず、女性にとってとても大切な、人生で一度きりのものを捧げてくれた感動で腰が震える。
グレイスの手をぎゅっと握る。痛みに耐えながらもオレを受け入れてくれるグレイスも、ぎちぎちと余裕なく締め付けてくるこの狭さも、破瓜の感触も、全て一生忘れたくない。

グレイスの額にはじっとりと汗が浮かび、懸命に痛みを逃がそうと短い呼吸を繰り返してはいるもののその呼吸はとても苦しそうで。
身体を震わせながら上がるのは胎内の痛みに脅える掠れた声。ぶちぶちと千切れたように震えた声は、次第にぐすぐすと湿り気が混ざり始めて。それでも行為を拒否しないで痛みに耐えるグレイスの健気さに、心の柔いところをぎゅうっと掴まれる。

「もう少し、だからな…」

手を繋いでいない方の手で、前髪をそっと避け額の汗を拭ってやる。半分近くずっぽりとグレイスのナカに飲み込まれたそれは、もう手を添えなくても抜ける心配はなかったから。