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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第25章 証


「イグニスのものになりたい」

オレの膝にそっと手を置いてグレイスが確かにそう囁いた。
触れ合っている場所が酷く熱い。
愛する女性にこんなことを言われて冷静でいられる男がいるものだろうか。情欲がどくんどくんと血液を通して全身に巡り、脳が痺れ始めるような感覚がする。

軽い目眩すら感じる頭を何とか落ち着かせようと試みているうちに、目の前のグレイスの表情がみるみる不安そうなものへと変わっていく。

「ぁ…ごめん、突然こんなこと言って。
ごめん、引かないで、ごめ」
「そんなわけないだろう! オレだって…!」

泣きそうな顔をしながら謝罪を口にするグレイスの言葉を遮るように声を張り、腕の中へと抱きしめる。

グレイスと最後の一線を超えない関係性で満足しているのも真実である一方、
もっと深いところで繋がりたい、オレを受け入れてほしいと思う欲があるのも確かだった。
グレイスから誘われれば無碍に断るつもりはないと考えてはいたが、まさかこんなに早い段階で告げられるとは。
避妊をしたとしても妊娠の可能性を伴う行為。グレイスの王女としての立場や学生である年齢を理由にどうにか傷つけないように諭すべきなのだろうが、一番に守りたい愛する女性の笑顔と心を曇らせてまで守る建前や外聞などあるものか。
そもそも肌を重ねて愛を伝え合う方法を教えたのはオレ自身だ。

「億万一、順番を違えることになったとしても、生涯に渡って責任は全て取る。
その可能性も含めて…本当に、良いのか…?」

きつく抱きしめているから表情はわからないが、腕の中のグレイスが確かに縦に首を振ったのが伝わった。
その答えに弾かれるように、オレはグレイスを抱き上げ、寝室へと向かった。

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