【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
ケースを上下左右に傾けて色んな角度から嬉しそうにそれを眺めるグレイスの様子に自然とオレの目も綻んだ。
「グレイス、オレがお前の首につけても良いか?」
「うん、お願い!」
満面の笑みでそう答えるグレイスからネックレスを受け取り、正面から向き合ったまま腕を伸ばす。
抱きしめるような姿勢になり自然と互いの耳元と唇が近付き、グレイスの吐息がオレの耳を僅かばかりくすぐる。
グレイスもそれは同じだったようで、一瞬 ぴくり、と身体を震わせ、耳の上端をほんのりと赤で染めていた。
そんな可愛らしい反応を視界に捉えながらネックレスの金具をとめ、チェーン下に重ねられた髪をスルリと引き出した。洗いたての艷やかな髪を手櫛で整えながらいくらか熱を持った耳を指先で一撫で一緒に撫でてやる。
「良かった、オレの見立て通りよく似合っている。ほら」
身嗜み用に持ち歩いている手鏡を取り出してグレイスに向けると、オレの大好きな星空の瞳が喜びを滲ませて一層キラキラと輝きを増していく。
「これで、お互いにお互いのモノだと印をつけられたな」
オレの首元にかかる、過去にグレイスから贈られたネックレスを指で掬い上げながらそう言えば、グレイスが「あっ」という顔をした。