【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
「それは願ってもないおねだりだな。もちろんそうしよう」
笑顔で快諾してくれたイグニスに嬉しさと安堵が募って、私も自然と表情が解れた。
「えへへ…ありがとう。
じゃあ予定も決まったことだし、そろそろ寝よっか?」
「あぁその前に少しだけ時間をくれないか。
グレイスに渡したいものがあるんだ」
そう言ってイグニスが鞄から取り出したのは、リボンがかけられた細長い水色の箱だった。
「ん? なぁに、これ…?」
「さっき日付が変わって、オレ達が付き合って3ヶ月になったからな。その記念に、グレイスへのプレゼントだ」
「えっ…!? えっ、うそ、嬉しい…あっ、でも私、何も用意してなくてごめ…」
「はは、オレがやりたくて勝手にやったことだ。そんなこと気にするな。
良かったら今、開けてみてくれないか?」
「もちろんだよ、ありがとう」
驚きと期待でドキドキする胸を落ち着けながら、ゆっくりとリボンを解いていく。
箱を開けると、その中には同じ色の手触りが良さそうなベルベット素材のケースが入っていた。
ケースの蓋を開けると、そこにはキラキラと新品の輝きを放つシルバーチェーンと、その先端には丸みを帯びた馬車のチャームがついていた。
その中心には水色の石が輝いていて、一目でガラスの靴のお姫様をモチーフにしたものだとわかる。
「わぁっ…これ、ネックレス?
すっごく可愛い…!!」」
「はは、喜んでもらえて何よりだ。元々は翌朝に渡そうと思っていたんだが、少しでも早く渡して反応を見たくなってしまってな」
我慢できなかったんだ、と少しだけ困ったように眉尻を下げて微笑むイグニスに心を掴まれてきゅんとする。
その言葉と表情から、何を贈ろうか悩んで、私が喜ふかどうかずっと気にかけてくれていたことがひしひしと伝わってきたから。