【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
見送りをしてくれる大臣や招待客の方達に会釈をしながら会場を後にする。
お父さん、スキエンティア、イグニス、ヴァニラと一緒にお城のセキュリティをくぐって、自分達の居住空間に戻ってようやくホッと息をついた。
「ん~~~…やっと終わった。
夏休み明け早々、長い一週間だった…」
「遅くまでよく頑張ったな。週末はゆっくり休むと良い」
「うん、お父さんもね。
…あと、さっきはイグニスを呼んでくれてありがとう。嬉しかった」
「はは、親としては娘の悲しい顔よりも喜ぶ顔が見たいものだからな。
さてノクトの次はグレイスの誕生日だが…何かリクエストはあるか?」
「リクエストかぁ…うーん…。
…あ、そうだ! 物とかじゃなくて、私の誕生日パーティにイグニスを参加させないでほしい、っていうのはアリ?」
「ほぅ、そう来たか」
イグニスからどこか寂しそうな視線が投げかけられるのを背中に感じる。
正直、リクエストと聞いて色々と希望を巡らせるも、浮かんでは消え、浮かんでは消す内容は、イグニスとの婚約発表だった。
でも、1月の私の誕生日まであと半年もないし、交際期間も1年未満ではさすがに時期尚早と言われても仕方ないのは理解できる。
でも、せめて自分の誕生日当日くらいイグニスを独り占めしたいというか、何が悲しくて別の女性に色目を使われているところを見なくちゃいけないのか。
イグニスに全くその気はないとわかっていても、それとは別問題なの。