【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
「ノクト、邪魔するぞ。二人も来ていたのか」
「おー」
「おっじゃましてまーす」
「よぉイグニス、お疲れさん」
リビングのソファで三人集まってスマートフォンを手にしているところを見ると、どうやらキングスナイトに興じているようだ。
「ノクト、楽しんでいるところすまないが、この後お前の誕生パーティについていくつか話をさせてくれ」
「あー…わーった」
「わ、誕生パーティだって! やっぱ王子様は違うね~!」
「もう今週末か。ノクト、当日くらいシャキッとしろよ?
その前にイグニス、オレもお前と話してぇことがあんだ。ちっとこっち来いよ」
パーティに関する書類をダイニングテーブルに広げようと椅子へ座りかけたところをグラディオに呼び止められる。
当日の警護についての話…ではなさそうな雰囲気だったので、一旦手を止めて皆の方へと近付く。
すると、ニヤニヤとした笑みを浮かべたグラディオがおもむろにこう口にした。
「お前とグレイス、どこまで進んだんだよ?
もう最後までヤったのか?」
「何だ藪から棒に。随分と失礼だな」
いくら長年の友人とはいえ、あまりに不躾な問いに堪らず苦言が口をついた。
オレに関することだけならまだしも、大切な恋人との極めてプライベートなこと、ましてや一国の王女との情事について軽々しく口にするものではないだろう。
「えっ! 一般市民のオレもいるところでそんなこと聞いちゃう!?」
「王子のオレだって、あんま聞きたくねーけどな…」
「はっ、なんだよノクト、妹に先越されたくないからって嫉妬か?」
「はぁ? そんなんじゃねーし。
んじゃグラディオお前さぁ、イリスが家に彼氏連れてきて、ソイツに『妹さんと毎晩仲良くヤらせてもらってます!』って言われて笑って聞いてられるんかよ」
イリスを例に上げられて問いかけられたグラディオは虚をつかれたように一瞬身を固めた後、右手で顔を覆って一言こう言った。
「………すまん、ノクト。今のはオレが悪かった」