【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
--翌朝--
眠りが浅くなってきた頃、寝返りをうとうとした自分の手に何かが当たった気がしてぼんやりと意識が覚醒する。
(んー…なんだろ…? ぬいぐるみにしては重いような…しかもあったかい…)
そこまで考えて、ようやく昨日のことを思い出す。
(はっ、そうだイグニス。もう起きてる…?)
ぱちりと目を覚まして周りを確認すれば、片肘を付いて横になってこちらを見ているイグニスと視線が合った。
「おはようグレイス。よく眠れたか?」
「あっ…ぉ、はよう…。イグニス、起きるの早いね」
カーテンの隙間から僅かに見える窓の外の光は8月だというのにまだ控えめ。ということは、今は明け方に近いかなりの早朝のはず…。
慣れない部屋で寝が浅くなってしまったのだろうか。仕事で疲れているのに申し訳ないことをした、と心配が頭を過った。
でも、イグニスはとても満足そうな顔で微笑み、私の頬に優しく触れながらこう口にした。
「まぁな。愛しい彼女の寝顔を見るという恋人特権を行使したくてな」
「えっ」
起きて数秒でいきなりこんなことを言われるなんて恥ずかしいやら何やら、心臓に悪い…!
咄嗟にシーツを引き上げて顔を隠せば、シーツごと抱き寄せられて髪にキスを落とされた。
…お元気そうで何よりです。