【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
「あ…うん、イグニスが疲れてなければもちろん…」
「ありがとうグレイス」
恥ずかしがりながらも承諾してくれるグレイスを仰向けにさせようと肩に手をかけた。
──はずだった、ところが。
グッ、と全く予想していない方向から力を掛けられて、どういうことか腕を押し戻された。
それがグレイスの意思によるものだと気付いた後、そのまま抗わず従えばオレが仰向けにさせれられ、眼前には薄暗い中でもハッキリと羞恥に頬を染めたグレイスがいた。
「き、今日は…私が、するから…」
「何を言って…んむっ」
反論をする間もなくグレイスから与えられる深い口付け。この先の情交を誘うような舌を絡ませるような動きに翻弄されていると、服越しにとは言えグレイスの手がオレの胸をまさぐり始めた。
「グレイス、どうしたんだ一体」
全く予期していなかった展開に強引にグレイスの肩を掴んで引き離せば、眉尻を下げ不安そうな表情を浮かべるグレイスと目が合った。
「え…ごめん、私何か間違ってた…?」
間違い…?
情交の手順としては別に間違ったことは何もないが、そうではなくて。
「いや…そういう訳ではないが…
グレイス、なぜ急にこんなことをしようと思ったんだ?」
グレイスは急に制止させられたことに大きく動揺してか上手く言葉が紡げないようだったので、一度落ち着いて話をする為にオレの上に被さっていたグレイスを腕枕の体勢にして隣へと降ろした。
グレイスは言葉を選んでいるのか唇を何度か動かそうとしては噤む、という動作を繰り返していた。
グレイスの戸惑いや不安を少しでも取り除きたくて彼女の柔い頬を指先でそっと撫でながらこう続けた。
「別に嫌だったわけでもないんだ。ただ突然のことで驚いてしまってな。
グレイスのことが大切で愛しているから、何か無理をさせているんじゃないかと心配になってしまったんだ」
するとグレイスは慌てたようにハッとした顔をして「何も無理なんかしてないよ」という言葉の後に、先日ヴァニラから『男はこういう時ムラムラしてて辛い。楽にしてやるにはグレイスがオレにされたことをしてやれば良い』と聞いたと教えてくれた。