【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
それぞれ別々に入浴を済ませ、湯上がりの熱が引いたところで寝室へと向かう。
エアコンの温度設定を行ったり、オレにスマートフォンの充電器の場所等を教えてから手元のリモコンで照明を常夜灯の明るさに落とし、二人でベッドへと上がった。
そこでふと気になったことをグレイスへ尋ねた。
「そういえばこのベッド、一人暮らしにしては幅が広いな。セミ…いや、ダブルか?」
「うん、ダブルサイズだよ。インテリアを選んでる時にヴァニラが『絶対泊まりにいくからベッドは大きめにして』って言ってたからこのサイズにしたんだ。けど…」
「けど?」
「一人暮らし始めてすぐの頃は確かに何度か泊まってたんだけど、毎回二人してリビングで寝落ちしちゃってて。
で、私がイグニスと付き合うようになったら『いつグレイスのダーリンが来るかわからないから夜は帰りまーす』とか言って、結局一回も一緒にこのベッドで寝てないの」
「なるほどな。話に花が咲いてしまったということか」
「ふふ、そういうこと」
元来の王女とその家臣としてのオレなら「きちんとベッドで寝ないと疲れがとれないぞ」「風邪を引いてしまう」など苦言を呈するべきだったのだろうが、世間一般の女性同士がやりそうな何気ない日常を思い返して楽しげに笑う恋人のグレイスを見たらそんな気はすっかり失せてしまった。これからはグレイスの恋人であるオレが公私に渡って世話を焼いてやれるのだから。
屈託のない笑顔につられてオレも口元を綻ばせながら彼女の腰を抱き寄せて、額に軽くキスをした。その触れ合いに幸せそうに微笑んだ後、グレイスはオレの胸元に顔を埋めて、恥ずかしそうに「でも…」と言葉を続けた。
「でも…ヴァニラには悪いけど…ここで寝なくて良かったかな。だって…違う女性が寝た場所にイグニスを寝かせたくなかったから」
「ふ…、またお前はそんな可愛いことを言って…」
そんなボディタッチにも満たない接触にすら嫉妬するというグレイスが愛おしくて、自分の中心に熱が集まるのを自覚する。特別なことはしなくて良いと言われたが、これまでしてきた愛撫なら許されるのだろうか。
例え自分の熱を発散出来なくとも、グレイスが感じ入ってくれる姿を見るだけでも相当に満足出来ることはわかっているから。
「グレイス、今夜も素肌に触れて良いだろうか?」
