【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第6章 訪れた変化
「グレイスも眠れないのか………ごめんね」
「え? どうしてノクトお兄ちゃんが謝るの?」
ノクティスのベッドに入ったグレイスは、申し訳なさそうに目を伏せる兄が心配になり、その手を握って驚いた。
「ノクトお兄ちゃん…手、冷たい…! だ、大丈夫…!?」
ノクティスの手は指先はもちろん、手のひらまで血の気が感じられない程すっかり冷え切っていた。
「ん…? 大丈夫だよ…考え事、してたからかな…」
グレイスの目を見てそう答えた後、悩むようにしばし目線を巡らせた後、天井に目線を向けながらノクティスはこう続けた。
「グレイスはさ…、怒ってないの?
僕がホタル見に行きたいなんて言い出して…夜に外出したからシガイに襲われて、そのせいでラケルが死んじゃって…
僕が大怪我したからテネブラエに療養に行って、そのせいでグレイスやルーナ達が襲われて…グレイスにまで辛い想いを背負わせちゃった…。
全部、僕のせいな…」
「ノクトお兄ちゃんのせいなんかじゃない!!」
グレイスは飛び起きてノクティスの言葉を否定した。
ノクティスの発言に驚くあまり、口元はわなないていた。
「どうして…? だって僕があんなこと言わなければ誰も傷付かずにすんだのに…。
あぁ、せめて最初のシガイにころさ…」
「やめて! そんなこと言わないで!!」
グレイスの目から大粒の涙が零れていく。
自分の内側から怒りなのか動揺なのか興奮なのか、よくわからない感情が湧き出てきてが視界はクラクラし、ハッハッと肩で息をしていた。