【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第6章 訪れた変化
テネブラエから逃げ帰るように戻った次の日の夜、グレイスはノクティスの部屋を訪れた。
「ノクトお兄ちゃん…一緒に寝ていい…?」
「グレイス…? …うん、いいよ。」
ノクティスは少しばかり驚いた様子を見せたが、受け入れてくれたことにグレイスは安堵する。
「ありがとう…」
そう言ってノクティスの隣に枕を並べる。
まだ車椅子での生活をしているノクトの為に、ドアの外には警備とご用聞きを兼ねた警護隊員がおり、枕を脇に抱えて入室したグレイスに怪訝な表情を向けていたのだが、そんなことはどうでもよかった。
「ううん…僕も昨日一人じゃ寝られなかったから、グレイスが来てくれて良かった」
「ノクトお兄ちゃんもそうだったんだ…。私も…」
二人とも、テネブラエでの惨劇と、予定になかった突然の長距離移動で心身ともに疲れていたはずなのに、
その疲労感を上回る勢いで頭の中を駆け巡る負の感情は年端のいかない兄妹にとっては完全なるキャパオーバーであり、丸一日経った今でも全く処理しきれずにいた。