【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
初めて足を踏み入れたグレイスの寝室は、明るく可愛らしいリビングとは異なり、温かみのあるブラウンと落ち着いたグレーでコーディネートされたモダンな雰囲気だった。
ベッド脇を見ると、換気の為か窓が少し開けられているのがレースカーテンの揺れでわかった。
とはいえ7月の気候に自然換気だけではムッとした空気感は否めない為、グレイスをベッドに降ろした後、すぐ隣のサイドチェスト上にあったリモコンでエアコンを入れた。
緊張のせいかお互いここまで無言だったのだが、オレが窓を閉めはしたものの、地厚な遮光カーテンを引かなかったことに対してようやくグレイスが口を開いた。
「カーテンも、閉めて…?」
リビングに比べれば大分抑えられた照度だが、それでも正直に言えばハッキリと互いの顔が見える程に寝室は明るかった。だが…
「グレイスの恥ずかしがる気持ちもわかるが…オレの好きな女性の色んな表情や反応が見たいという気持ちもわかってほしい。頼む」
「それは…ん、んー!」
無礼を承知でグレイスの返事を聞く前にキスで唇を塞いで続きの言葉を飲み込ませた。
最初はもごもごと文句を言いたそうに口元を動かしていたが、しばらくすると諦めたかのように大人しくオレの舌の動きに寄り添うように応えてくれた。
キスを続けたまま、タイを引っ張る。
しゅるり、と布と布が擦れ合って段々と着衣が緩まっていく具合が敏感に手に伝わってくるのがやたらと生々しい。
そのまま手を下へと下ろし、ブラウスのボタンを外していこうとするが、不慣れな動作に手間取り指先が焦れる。
男女で洋服の前合わせが逆になるのは知識として知っていたが、それだけでこんなにもやりにくくなるものなのか?
それともただ単にオレが、愛する女性を組み敷いているこの状況に極度の興奮と緊張をしているせいか…。