【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
「なぁ、グレイス。もう一度その名で呼んでくれないか?」
「うん、いいよ。イギー」
「もう一回」
「えっ。ぃ、イギー…?」
「何で疑問形なんだ」
「や、だって何回も言わせるから…!」
そう言ってほんのり頬を赤く染めるグレイス。
もし、感情を色で表現するとしたら、きっと今のオレの心も同じ色だろう。優しく色づき、温かな幸せの、赤。
「すまない。久々に呼ばれたのが嬉しくてつい、な。
グレイスがこの呼び名に特別な感情をこめてくれていたことも思い出したんだ。
二人きりの時は、またこうやって呼んでくれないか?」
「う…でも、何かこうやって…注目? されちゃうと言いにくい…」
「呼んでくれないのか?」
「よ、呼べる時は呼ぶようにする。
でも、例えそう呼んでいなくたって、私の中でイグニスは特別、だからね。
昔も、今も。
そして…ん、ちゅ。
これから先も。ずぅっと大好きだよ、イグニス」
グレイスが話している途中に ぐい、と襟元を引かれて深い、特別なキスを送られた。
グレイスからの言葉と口付けからたっぷりと愛情を受け取り心が満たされると同時に、
もっとグレイスの特別になりたい、もっとグレイスのことを知りたい、もっとグレイスを愛したい、という欲深い感情が強烈に沸き上がった。
それは決して性的なものではなく、純粋な感情で。