【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
夕食を一緒に食べた後。
「この後はノクトの様子を見に行こうと思っている。
ノクトも今テスト前だからな」
ちゃんとやってくれていると良いのだが…と溜め息混じりに呟くイグニスを少々申し訳ない気持ちになりながら玄関まで見送る。
「ではまた明日来る。戸締まりはしっかりな」
「うん、わかってるよ。また明日ね」
そう言って ちゅ、と唇が触れ合うだけのキスをする。
本当はもっとぎゅっと抱きしめあいたいし、もっとキスもしたいけど…離れがたくならないように、イグニスなりの配慮なんだろうな。
帰り際のイグニスに手を振った後、玄関ドアの施錠をしてからちらりと隣の壁を見る。
そこには先日イグニスと一緒に作った花守りが静かに、でも確かに特別な存在感をもって佇んでいた。
ピンク、白、緑の紫陽花に込められた愛情深い花言葉を思い出す。
ピンクは『元気な女性』『強い愛情』。
色の変化させない白の品種には『寛容』『一途な愛情』。
そして緑は『ひたむきな愛』。
花守りと共に贈ってくれたイグニスの気持ちも一緒に感じられるこの花たちの存在が、とても心を満たしてくれる。
少しの間だけ満足には会えないけれど、その先の日々を充実させるために頑張ろう。