【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
「それもあるが…紫陽花は色によって花言葉が違ってな。それで選んだ部分もある」
「あっ、それさっき言いかけてたね。
これにはどんな意味があるの? 教えて!」
「もちろんだ。
まずピンクには『元気な女性』『強い愛情』。
途中で色の変わることのない白の品種には『寛容』『一途な愛情』。
そして緑には『ひたむきな愛』。
全部、オレからグレイスへの気持ちだ」
花言葉を一つ伝える毎に笑顔になっていくグレイスだったが、段々と途中で恥ずかしそうに花守りの後ろに顔を隠すようになっていき、最後の一言を添えた時には顔を逸らしてしまっていた。
オレの言葉に赤らめているだろう頬や隠れている表情が直接見たくて、僅かにサングラスを指先でずらして上からグレイスの顔を伺い見た。
「イグニス…ここ、外…」
「わかっている。少しだけだ」
そう、少しだけ。
照れて伏し目がちにオレから目線を外すグレイスが可愛くて。
その瞼の下に見える潤んだ瞳が魅惑的過ぎて。
胸元にするりと落ちている長く美しいグレイスの髪を一束手に取って口付けた。
その仕草に目を点にさせているグレイスの手を握り、
「大丈夫だ、皆製作に集中していて誰も見ていない」と囁いてオレ達は公園を後にした。