【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
紫陽花は一人三朶まで使って良いらしく、色や大きさの組み合わせを考えながら慎重に選んでいく。
グレイスも「どれを選んだか見てのお楽しみにしたいから」と少し離れた場所でサングラス越しにもわかる程真剣な顔をして紫陽花を見つめている。オレの為にあんな顔をしてくれているのかと思うと、愛おしくてたまらないな。
二人共花を選び終わった後はテーブル席へと移動して、花束のようにバランスを見ながら半紙に包んでいく。
半紙と一緒に枝の部分を紐で結び、最後に半紙の下から出ている枝の先に吊るせるように別の紐を結び付けたら完成だ。
これを玄関などに吊るすことによって魔除けの効果がある、ということだ。
「よし。オレは出来上がったが、グレイスはどうだ?」
「私ももう出来るところ…うん、良い感じ。
それじゃあ…まず私から渡しても良いかな?」
隣に座るグレイスの手元には、中心に大きく目を引くピンク色の紫陽花があり、その横に小ぶりながらも存在感のある深い藍色の紫陽花が二つ添えられていてる花守りがあった。
「ありがとうグレイス、いただくよ。
これは…華やかでありながら品のある組み合わせだな。
どうしてこの組み合わせにしたのか聞いても良いか?」