【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
せっかくの絶景なので、一面の紫陽花を背景に二人で写真を撮ることに。
これは素敵な写真になりそう、あとで景色だけでも撮りたいくらい!
「ちゃんと紫陽花も一緒に写るかな?」とイグニスのスマートフォン画面を覗き込みながら身体を上下左右にちょこちょこ動かしていたら、急に グッとイグニスに肩を抱き寄せられた。
「ひゃっ…!?」
「ほらグレイス、こうやってしっかり密着していないと上手く景色が入らないぞ」
「ぅ、うん…」
耳元で告げられる柔らかな声にも、私の肩を抱く大きくて温かな手にも、
こうして堂々と彼氏然として振る舞われるのにも、胸が大きく高鳴る。
FFワールドで2ショット撮った時はもっと遠慮がちに慣れない感じ満載だったのに…急に格好よくなるのズルい…!
ドキドキとうるさい心臓を何とか抑えながらシャッターが押されるのを待った。
…あ、お花の彩りもしっかり画面に入ってイイ感じ。
あと、肩に回されたイグニスの手も一緒に写ってるのがまた良い…
恋人同士の写真っぽさが出てて頬が緩んじゃう。ふふ。
その後は風景だけの写真を何枚か撮ったりして、その後昼食をとる為に開けた場所へと移動した。
芝生が広がるエリアでは、何組かの家族連れやカップルがレジャーシートを敷いてお弁当を食べているのが見える。
「この辺りで良いか。広げるぞ」
イグニスも鞄からサッとレジャーシートを取り出して準備をしてくれる。ここまで用意してくれてるの、ほんとさすがだなぁ…。
靴を脱いでシートに上がると、斜面を歩いて少しだけ疲れた脚を寛がせることが出来て気持ち良い。
お弁当の蓋を開けると、定番の卵や唐揚げはもちろん、野菜の肉巻きや飾り切りされた人参など、見た目も鮮やかなおかずたちが顔を覗かせた。
「わぁーっ、どれもとっても美味しそう!
朝早かったのにこんなに色々準備してくれてありがとう、何から食べようか迷っちゃうな」
「そう言ってもらえるなら作った甲斐もあったというものだ。この間グレイスにはとびきり美味いパエリヤをご馳走してもらったばかりだからな、沢山食べてくれ」