【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
イグニスのエスコートで車に乗り、走り出して間もなく朝の爽やかな日差しが車内に差しこんできた。
「お天気、晴れて良かったね。今日は紫陽花の名所に連れて行ってくれるんだよね?」
「そうだ。夏到来前の今、まさに見頃を迎えているらしくてな」
向かう先はインソムニア中心街から離れたところにある森林公園。
ネットで見た情報では、ここはかなり敷地も広くてレストランや催しものを開くことが出来るイベントスペースなんかも用意されている場所のようだった。
気候も良いし、広い園内をのんびりお散歩するのは気持ちよさそう。
乗り心地穏やかなイグニスの運転に揺られ目的地に着くと、まだ午前中の早い時間だというのに駐車場は既に混雑し始めているようだった。
「わっ、結構もう車停まってるね。すごく人気の場所なんだ」
「あぁ、早めに出てきて正解だったな」
イグニスに手を引かれて車外へと出ると、そのままスルリと手を繋がれた。これだけ周りに人がいれば良いってことかな…
重なり合った指と手のひらから伝わってくる温もりが嬉しい。しっかりとその手を握り返して、この間イグニスにプレゼントしてもらったサングラスをかけた。
その私の顔を真っ直ぐ見つめて「やはりよく似合っている」とストレートに褒めてくれる言葉とその笑顔に、またイグニスのことが好きになる。