【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
お互い変更のきかない予定の入った週末を過ぎ、その次の週末、6月末日の朝。
イグニスに「連れていきたい所があるんだ」と誘われていた私は、身支度を済ませて彼の到着を待っていた。
待ち合わせ時間の少し前、ガチャリと玄関ドアのロックが開く音とホール部分の照明が点く気配にパッとソファから駆け出し玄関へと彼を迎えに向かった。
「イグニス、おはよう!」
リビングから顔を出せば、いつも靴ベラを使って丁寧に靴を脱ぐイグニスらしく、靴箱の上のそれを取る為に手を伸ばそうとしているところだった。
先日、合鍵を渡してから約束通りここへ足を運んでくれることが増した彼の為に私が用意したんだ。
自宅に好きな人の為の物があるって…それを見る度その人のことが頭に浮かんで幸せになれる。
「あぁ、おはようグレイス。もう準備は…」
最後まで言葉を言い切る前に勢い良く飛びついた。
しっかりと鍛えられた体幹と逞しい腕にしっかりと受け止められ、イグニスの身体はびくともしなかった。その受け止められる衝撃さえも心地良かった。
「おっと…これは朝から情熱的な歓迎だな。ありがとう」
「だって、最近ゆっくりとは会えてなかったから」
彼の肩に甘えるように額を寄せれば優しい声と手つきで「そうだな」と答えながら頭を撫でてくれる。
「それに、外に出たらこうやって触れ合えないし…」
「はは、さすがグレイス王女、先見の明がおありだ。
ではここで…」
そうして ぎゅ、と抱きしめあって、その後お互いの存在を確認するように唇をちゅ、ちゅっと何度も重ね合って…いっぱいいーっぱい幸せな気持ちを大好きなイグニスと共有して。
その後私が靴を履く時もイグニスが当たり前のように「ほら」と手を差し出して片方の手で私の手を取り、もう片方で身体を支えてくれてる、その優しさが嬉しかった。