【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
それからの平日、オレは可能な限り時間に都合をつけてグレイスのマンションへと足を運んだ。
仕事が残っていて茶を飲むだけの時間しか取れない日もあったが、夕食に間に合えば料理から二人で一緒にしたし、
時にはノクトやプロンプトも一緒に食卓を囲んだ時もあった。
「プロンプト、先日FFワールドで色々とお膳立てしてくれたお礼をしたいのだが、何かリクエストはないだろうか?」
「あ、私からも! プロンプト、あの時は本当にありがとう」
「え、そんなの気にしなくていーのに! オレもフツーに楽しんだし、お礼っていうなら今日作ってもらってる食事だけで十分だよ」
きっと本心でそう言ってくれているのだろうが、それではオレの気が済まないと何度か押し問答を繰り返した結果、「普段見れない景色を撮りたいから、公共交通機関では行きにくい自然豊かな所へ連れて行ってほしい」という要望が出てきた。
それなら人里離れた山か川か…と口にしたところでノクトが会話に加わってきた。
「なぁイグニス、それって釣り出来る川も候補にあるか?」
「ん? 釣りか。探せばあるんじゃないか」
「んじゃオレ釣り出来る川行きてーな」
「こらノクト、今はプロンプトへの話を…」
「あ、オレは全然いーよ! 景色だけじゃなくてみんなの写真も撮りたいしね」
「だよな、じゃそうしよーぜ。
あ、でも今新しいリール買うのにバイト代貯めてて…プロンプト、行くの秋くらいになっても良いか?」
「ノクト、王子様なのにちゃんと自分のお金で買おうとしてるのエラすぎじゃん…! オレの中で好感度爆上がりなんだけど!
いーよ、全然待つよ! ノクトの釣り上げる大物、期待しとくね!」
「おう、任せとけ!
っつーわけでイグニス、良い場所探しといてくれよ」
「はぁ…わかった」
プロンプト本人は一切気にしていないのだろうが、場所だけでなく時期までノクトに決めさせてしまって申し訳ないとオレは心の中で彼に謝った。