【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
その後、二人で一緒に食器の片付けをして、再びソファへ腰掛けた。もちろんグレイスの席はオレの脚の間だ。
「グレイス、座面が浅くて座りにくくはないか?」
「ふふ、後ろからイグニスがぎゅーって支えてくれてるから大丈夫だよ、ありがとう。
…あ、そういえば来週末のスケジュール聞きたかったんだけど、確か来週ってノクトお兄ちゃんも公務入ってたよね…?」
「あぁ…しかも、ノクトが土曜、グレイスが日曜と互い違いだったな」
いくらノクトがあまり公務に積極的に参加したがらないとしても、全くゼロにするというのは難しく、こうして時折り予定が入ってしまう。
当然ノクトの公務となれば、オレはそちらに帯同して出向くこととなる。
「あ~…やっぱり来週末は二人で会えそうにないかぁ…こればっかりは仕方ないけど、残念だなぁ。
その代わり…これ、イグニスにあげる!」
そう言ってグレイスは、ソファ前のローテーブルに置いてあったスマートフォンに手を伸ばし、スマホケースのカードスロットルから一枚のカードを取り出してみせた。
それは、何のデザインもない黒一色の何の変哲もないプラスチック素材のカードだったが、オレはハッキリと見覚えがあった。
「これは…もしかして、」
「そう、私の部屋のカードキー。
これ、渡しておくから。イグニスならいつでも来ていいよ。
週末はムリでも、平日イグニスが忙しいのもわかってるけど…顔だけでも見せに来てくれたら嬉しいなーって…」
オレの手にそれを握らせ、遠慮がちに『オレに会いたい』と希望を口にしてくれる照れた顔が可愛くて、恋人としていつでも訪問を許される信頼とそれを裏付けるグレイスの一途な愛情がたまらなく嬉しくて、オレはグレイスを後ろから一層強く抱きしめた。
「あぁ。絶対に来る。ありがとうグレイス」
「わ、あはは、ちょっ苦しいってばイグニス~
…うん、でも、待ってる」
「もちろんだ。約束する」